予知・予測のための監視・モニタリングに不可欠なICT
気候などの複雑な変化を予知・予測しようとすると、様々なデータの監視・モニタリングが必要です。
現在、様々な場所で色々な環境変化を測定するセンサー技術が揃っています。これらセンサーからの膨大なデータをリアルタイムに集め、その変化から今後起こり得る事象を予測する全てのプロセスにおいて、ICTが活用されています。気象衛星が捉えた雲の動きや降雨状況などのデータからの気象予測など身近な例も多くあります。NECが開発に貢献したスーパーコンピュータ「地球シミュレータ」は、2100年までの地球全体の気温変化を予測し、その結果が、IPCCで気候変動などの予測で活用されたことは良く知られています。
情報収集の起点となる各種センサー技術
当社では衛星から海底まで様々な領域のビジネスにおいて多様なセンサーを利用したソリューションを提供しています。例えば、衛星に搭載したセンサーで地球規模での観測は地球上の水の循環や、植生状況、気温や大気組成、海面温度や積雪量、氷の厚さなど、多くの情報を見ることができるようになりました。
地上でも気温や水温、湿度、CO2濃度など基本的な環境情報を観測するセンサーから、微細な振動や音、光、電流量を測定するものまで、センサー技術は既に身近な場所で当たり前のように使われるようになっています。
センサーデータを集めてビッグデータを創りだす
センサーで観測されたデータは時間的、空間的な視点から有意性を見ることで価値が高まります。価値のある情報へ変換するためには、分散している観測データをまずは一か所へ集めなければならなりません。そこで、必要となるのがネットワーク技術とクラウド技術、そして集めた膨大なデータから意味のある情報を引き出すためのビッグデータ技術です。時々刻々と生み出される大量の観測データを高信頼に蓄積するためのデータベースソフトウェアも必要です。また、扱うデータ量が大量になるため、高速に処理集計する能力が重要になります。
当社は、センサーによる観測から、ネットワークを通じてデータを収集し、大容量のビッグデータを高速に処理するための一連の製品やソフトウェア、サービス、技術を有しています。
ビッグデータから価値ある情報を導き出す分析技術
ビッグデータは、将来の変化を予知・予測して事前の対策に役立って初めて価値につながると言えます。しかし、情報分析には、専門のノウハウ・スキルが必要となります。NECには、世界No.1の顔認証技術に代表されるように、情報の分析・解析においても高いスキル・ノウハウを有しています。例えば、当社では、ビッグデータから人間では発見が困難な多数の規則性を自動で発見し、高精度な予測や異常検知を行う「インバリアント分析技術」や、「異種混合学習技術」など、ビッグデータを有効活用する技術やシステムを開発しています。地球環境や社会インフラからのさまざまなセンシングデータを活用することで、気候変動による影響として懸念されている災害、水・食糧不足、インフラ停止、健康被害などのリスクに対して、未然防止や事前対策など危機への備えや、資源の最適利用・効率化という価値を提供できると考えています。
ICTによる貢献のためのフレームワーク
気候変動によるリスクへの対策にICTを活用するためには、大きく以下の4つのプロセスを行う必要があります。
このサイクルを繰り返すことで、資源の最適利用を実現し、危機へ備えることに役立つと考えています。
気候変動の8つのリスク
出典:気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第5次評価報告書
第2作業部会報告書(影響・適応・脆弱性)