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気候変動への対応

当社は、2018年にTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言(以下、TCFD提言)への賛同を表明しており、本ページではTCFDフレームワークに沿った情報開示を行っています。

ガバナンス

気候変動対策推進体制

環境経営推進体制で記載している体制のもと、気候変動についても同様に対策を推進しています。
NECグループの気候変動に関する環境方針・目標は、各ビジネスユニットの環境推進責任者で構成される環境経営推進会議において審議・策定しています。環境担当役員はその内容を確認し、上位組織にあたる事業戦略会議に報告しています。また、気候変動に関するリスクについても環境経営推進会議において共有し、事業に与える影響が大きい場合には、環境担当役員が確認のうえ、必要に応じてリスク管理プロセスに則ってリスク・コンプライアンス委員会で討議します。特に、事業に大きな影響を及ぼす気候リスクや機会については、必要に応じて取締役会へ報告します。取締役会では、審議を通じて適宜対策指示を行い、当社の気候変動対策が適切に推進されるよう監督します。気候変動対策のうち、自社のCO2排出量削減についてはテーマ別専門部会を設けてグループ全体で対策を推進しています。各部会から環境経営推進会議に対して報告・提案を行うことにより、グループ全体で省エネルギーに努めています。環境経営推進会議での決定事項は、各ビジネスユニットおよび各事業場の委員会などで指示・報告し、全従業員へ周知・徹底しています。

気候変動に関するイニシアチブへの参画

当社は自社のサステナブルな経営基盤の構築と共創によるサステナブル社会の実現を推進するために、環境に関わるイニシアティブに参加しています。

100

業界団体との関わり

重要会議体での環境関連報告

気候変動はマテリアリティの一つと位置づけられていることから、経営トップが出席する会議体において気候変動を含めた環境への取り組みやリスク・機会などについて、審議・監督・報告を行っています。また、2021年度からは、サステナビリティ・アドバイザリ・コミッティを通じて、社外有識者と経営者層との対話を行っています。

主な審議・監督・報告内容

会議体
1
2
Column2
1
1
年度
1
1
頻度
1
1
主な審議・監督・報告事項
1
2
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1
1
取締役会
4
2
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1
1
2022年度
1
1
4回
1
1

5月:「カーボンニュートラル」への取り組み

7月:サステナビリティ・リンク・ボンドの発行について

10月:「気候変動サミット」について

2月:当社の環境取り組みについて

~今後のカーボンニュートラル対策強化~

1
2
Column6
1
1
Column1
1
1
Column2
1
1
2023年度
1
1
2回
1
1

5月:ESG/サステナビリティ推進報告

12月:COP28への参加についての報告

1
2
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1
1
Column1
1
1
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1
1
2024年度
1
1
2回
1
1

7月:TIME誌「世界で最もサステナブルな企業2024」 第2位ランクイン報告

適応ファイナンス事業に関する取り組み報告

1月:ダボス会議/世界経済フォーラム(社長 環境汚染テーマ議論)

1
2
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1
1
Column1
1
1
Column2
1
1
2025年度
1
1
4回
1
1

4月:当社のサステナビリティ経営方針討議

7月:TIME誌「世界で最もサステナブルな企業2025」第7位ランクイン報告

10月:「MSCI ESG レーティング」において最上位評価の「AAA」を獲得報告

3月:社会価値創造Vison実現に向けて、優先的に取り組む当社としてのサステナビリティ討議

1
2
Column6
1
1
社外有識者と経営層の対話
5
1
ステークホルダーダイアログ
1
1
2023年度
1
1
2回
1
1

9月:気候変動を含むサステナビリティにどう向き合うか

3月:ESG-Day

1
2
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1
1
Column1
1
1
サステナビリティ・アドバイザリ・コミッティ
4
1
2022年度
1
1
2回
1
1

5月:当社のサステナビリティ推進の考え方と主な取り組み

2月:自然資本分野における事業リスクと機会について

1
2
Column6
1
1
Column1
1
1
Column2
1
1
2023年度
1
1
1回
1
1
2月:「気候変動対応とNEC事業戦略の融合を加速するために必要なこと ~サステナビリティ情報開示要請の高まりを受けて~
1
2
Column6
1
1
Column1
1
1
Column2
1
1
2024年度
1
1
2回
1
1

6月:「企業価値向上に資するサステナビリティ戦略とは」

3月:「激しく変化する時代におけるサステナビリティ経営のあり方」

1
2
Column6
1
1
Column1
1
1
Column2
1
1
2025年度
1
1
2回
1
1

9月:「当社のサステナビリティ経営におけるサステナビリティ関連のリスクと機会について」

3月:「新中期経営計画期間における当社の環境取り組み」

1
2
Column6
1
1

戦略

当社は、「環境・社会に対するインパクト」および「自らの財務に対するリスク・機会」の双方の観点から評価を行い、これらの影響がともに大きいテーマをNECグループにとって最も重要性の高いテーマとして特定し、有価証券報告書において開示しています。

一方、気候変動については「環境・社会に対するインパクト」が大きいテーマとして認識しており、「自らの財務に対するリスク・機会」は現時点では業績への影響は限定的と見込んでいます。こうしたテーマを含め、NECグループにおける気候変動への取り組みについて、ステークホルダーのみなさまに広く開示しています。

気候変動対策方針

当社は「気候変動(脱炭素)を核とした環境課題への対応」をESG視点の経営優先テーマ「マテリアリティ」の1つとして位置づけ、自社の製品・サービスそのものの環境負荷を減らすと同時に、ICTを活用して、お客さまや社会の脱炭素トランジション(移行)を支えていきます。この考えをもとに、長期的な環境目標として「2050年を見据えた気候変動対策指針」を掲げました。現在は、The Climate Pledgeへの署名によりカーボンニュートラル目標を2040年に前倒ししたため、気候変動対策指針のカーボンニュートラル目標達成年度を2040年に前倒しして読み替え、活動を推進しています。

100

サプライチェーンからのCO2排出量ゼロに向けた削減については、2040年を達成年として、2024年4月にSBTNet-Zero認定を取得し活動を強化しています。世界が目指す低炭素社会の実現においては、カーボンニュートラルビジネス推進PMOを設置し、ICTインフラの省電力化、CO2排出量の見える化ソリューション、リソースアグリゲーション事業、環境コンサルティングなどにグループ横断で取り組んでいます。

気候移行計画

当社は、パリ協定の目標に則した2050年のネットゼロ社会と整合したビジネスモデルへの移行を図るため、既存の指針や取り組みを整理し、気候移行計画を策定しました。シナリオ分析による未来予想、事業リスクと機会の明確化、中長期計画の策定、施策の実行と評価という一連のPDCAを回しています。また、その進捗について取締役会で報告するとともに、TCFD提言に沿った情報開示に取り組んでいます。気候移行計画を推進するうえで、必要に応じパリ協定と整合した政策実現のため政策立案への協働を実施します。

100

事業を通じた貢献

お客さまの環境経営課題への貢献

「環境経営戦略」の章で、当社としての環境領域での経営課題への取り組みと目指す姿を紹介しましたが、お客さまにおいても同様の課題を抱えられていると認識しています。お客さまの経営課題への取り組み状況は、お客さまの要求や規制対応のためにコストミニマムの対応をしている「ステージ1」、炭素税やエネルギーコストの状況などをふまえ、環境負荷を削減し競争力を強化するとともに、外部からの高評価獲得による企業価値向上を目指す「ステージ2」、コスト削減や企業価値向上だけでなく、環境対応を自社の成長戦略に組み込んでいる「ステージ3」など、さまざまな段階にあると認識しています。当社は自社の経験も活かして、お客さまのステージに合わせたさまざまな貢献ができると考えています。

当社は、お客さまの経営課題を起点としてEnd-to-Endのビジネスモデルで価値創出を行うBluStellarを2024年に発表しました。当社は環境ビジネスにおいても、BluStellarのモデルで価値創造することは変わりません。センシング・AI・セキュリティなどのテクノロジーと、社外評価の高い専門人材・ナレッジを活用し、複雑な環境問題を見える化・分析することで、対処すべき課題を明確化します。自社をゼロ番目のクライアントとみなして価値検証を行うクライアントゼロや、お客さまとの共創で課題と効果の明確化を推進し、業界標準策定などにも貢献していきます。

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環境ビジネス市場のとらえ方
環境ビジネス市場のとらえ方
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BluStellarモデルによる環境経営課題の解決
BluStellarモデルによる環境経営課題の解決
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製品カーボンフットプリント(CFP)算定の社内実証を開始

脱炭素社会の実現に向けて、製品ライフサイクル全体におけるCO2排出量の可視化への社会的要請が高まっています。当社は、こうした動向をふまえ、CFP算定ソリューションの開発を進めています。開発にあたっては、適用検討、ツール開発、生産現場など社内の各領域を横断するワーキンググループを組成し、社内実証を実施しています。
2025年度は、CFP算定に必要な社内に散在するデータを集約し、排出原単位との紐づけや算定に活用しやすい形に整理する仕組みを構築しました。市場では計算や可視化に特化したツールが多くを占める中、当社は、データ連携プロセスを簡素化する実践的なソリューションを通じて、お客さまの脱炭素化に向けた課題解決に貢献していきます。
また、お取引先からの一次データ取得にも取り組みました。CFP算定結果に基づくホットスポット分析や、実効性のある削減施策の立案には、サプライチェーンにおける排出削減努力を直接反映できる一次データ比率の向上が不可欠です。今後もお取引先と連携しながら一次データの取得を進め、サプライチェーン全体での環境負荷低減を目指します。

Scope3のカテゴリ11の削減に向けた取り組み

当社が提供する製品に関するCO2排出量(Scope 3カテゴリ11)は、カタログ値などをもとに設定したシナリオにより試算しています。そのため、お客さまの実際の利用状況を反映したCO2排出量を把握することは難しい状況です。一方で、お客さまの中には再生可能エネルギーを利用している事例もあり、実際のCO2排出量は削減されていると考えられます。こうした情報は、各お客さまのホームページなどで公開されています。
電機・電子温暖化対策連絡会の製品貢献専門委員会において、お客さまの状況を反映したScope 3カテゴリ11の算定方法を検討することを当社から提案し、2025年度に算定方法を「顧客実態を反映したScope 3カテゴリ11算定方法に関する検討報告書」にまとめました。
現在は、本報告書を参照しながら、お客さまの利用状況を反映したCO2排出量の算定を試行しています。

Scope3のカテゴリ1の取り組み

当社は、Scope 3カテゴリ1において、調達取引先へのエンゲージメントを通じたCO2排出量の算定促進および削減支援に取り組んでいます。これまで公表してきたカテゴリ1排出量は排出原単位データベースを用いて算定していましたが、この手法では調達取引先の削減努力が十分に反映されない点が課題でした。
この課題を解消するため、調達取引先からSAQなどを通じて報告されるCO2排出量を反映できるよう、GHG Protocol Scope 3 Standardに適合した算定ロジックを当社にて開発しました。当該ロジックについては、みずほ総合研究所(みずほ銀行内のシンクタンク)による同Standardへの適合性に関するレビューを受けており、2025年度実績分より算定への適用を開始しています。
その結果、調達取引先から受領した実データを反映した算定が可能となり、2025年度実績では当該データに基づく排出量がカテゴリ1排出量全体の約11%を占めました。また、カテゴリ1排出量は前年度公表値と比較して約13%低い算定結果となりました。
今後も調達取引先とのエンゲージメントを通じてデータ収集を強化するとともに、本取り組みで得た知見を同様の課題を持つお客さまへ提供していきます。

シナリオ分析

自社のサステナブルな経営基盤の構築と共創によるサステナブル社会の実現を推進するために、環境に影響を与えるリスク・機会の分析を実施し、リスクの低減や機会の拡大に向けた対策を進めています。
2024年度は初めての取り組みとしてAIを活用し、全社リスクと事業リスクを再度確認しました。

シナリオ分析から見えたリスクと機会

リスク
1
1
シナリオ(1.5℃or4.0℃)*2
1
1
内容
1
1
時間軸*3
1
1
財務影響/年
1
1
対策
1
1
移行*4
2
1.5℃
2
カーボンプライシングによるコスト増
中期
33億円
CO2排出量実質ゼロ(2040年)達成に向けた効率化の徹底と再生可能エネルギーの活用拡大
Column1
1
1
Column2
1
1
レピュテーションリスクによる売上減
1
1
短期
1
1
34億円
1
1
SBTイニシアティブ*5認定および再生可能エネルギーの活用拡大とグリーン電力の購入
1
1
物理*6
2
4.0℃
2
データセンターの気象災害(洪水、土砂崩れ、水不足など)の影響による事業停止に伴う売上減
短期
40億円
非常用電源設備などの発電設備の強化(5日間稼働分の燃料の備蓄など)
Column1
Column2
洪水に伴う生産拠点の稼働停止の影響による売上減
中期
75億円
フロアの嵩上げや浸水防止のための止水板、止水扉の設置、および土のうの備蓄など。

*2 1.5℃:脱炭素社会が実現し、2100年に気温が1.5℃上昇するシナリオ
4.0℃:脱炭素社会が実現せず、2100年に気温が4℃上昇するシナリオ
*3 短期=0〜3年、中期=4〜10年、長期=11〜20年
*4 脱炭素社会への移行に伴って、政策・法務・技術革新・市場嗜好の変化などにより発生するリスク
*5 企業に対し、科学的根拠に基づく二酸化炭素排出量削減目標を立てることを求めるため、カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト(CDP)、国際連合グローバル・コンパクト(UNGC)、世界資源研究所(WRI)および世界自然保護基金(WWF)の4団体により設立されたイニシアティブ
*6 異常気象から引き起こされる事象による急性リスク(洪水や土砂災害など)と長期間での気候パターンの変化による慢性リスク(海面上昇や熱波、耕作適地の変化など)

NECが描く2030年/2050年の世界 ~私たちの暮らし・自治体の未来~

当社は、気候変動を考慮したシナリオ分析なくして企業の存続や成長はないと考えます。最新のグローバルリスクでも気候変動に関連したリスクが多く挙げられ、企業の事業活動や収益のみならず、私たちの暮らしに非常に大きな影響を及ぼします。そのため、どのような未来になっても、NECが存続・成長し、安全・安心な社会を実現するために、複数のシナリオを用いて進むべき方向性を検討しています。2019年には、全社のシナリオ分析を実施し、2つの異なるシナリオにおいて、自社のリスクと機会がどのように変化するのか分析しました。

2022年の焦点は「気候変動x行政DX」

昨年度からは、当社のさまざまな事業分野ごとにとらえるべき気候変動のリスクと機会が異なることから、事業分野ごとにシナリオ分析を行っています。今年度は、中期経営計画の事業戦略の1つである「デジタルガバメント」の領域から国内行政DXと2030年の脱炭素社会への移行度合い(1.5℃と4℃)をシナリオを用いて分析し、そこでの当社の事業機会について検討しました。具体的には、「気候変動 × 行政DX」の2030年の姿を描き、自社のリスク・機会をふまえ、事業構想案を検討しました。さらに、ステークホルダーの声を反映することを目的に、外部ヒアリングを充実させました。

21年度『私たちの暮らしと自治体の未来』

シナリオ分析の結果(2030年) NECが描く2030年/2050年の世界
~気候変動と行政DX~

地域・自治体(中核都市と小規模都市)の未来の姿を気候変動の影響をふまえて描くことを目的に、2030年・2050年のシナリオを作成しました。脱炭素社会への移行度合いである1.5℃と4℃を縦軸に、生活者と行政の関係や行政システムの在り方を強制と自発に分けて横軸に設定し、4つのシナリオを検討しました。なお、気候変動や脱炭素に関する事項は、以下の参照シナリオを2050年の前提条件とし、各シナリオではその一部を利用しています。

参照した公開シナリオ

1.5ºCシナリオ
1
1
4ºCシナリオ
1
1
  • IPCC AR6 WG1 SSP1-1.9
  • IPCC 1.5ºC特別報告書
  • IPCC AR5 RCP2.6
  • IEA World Energy Outlook2021
  • Net Zero Emissions by 2050
  • Scenario (NZE)
  • 国立環境研究所 日本版
  • SSP+SSP1:持続可能、
  • SSP5:化石燃料に依存した発展
  • IPCC AR6 WG1 SSP5-8.5
  • IPCC AR5 RCP8.5
  • IEA World Energy Outlook2021
    Stated Policies Scenario(STEPS)
  • 国立環境研究所 日本版
    SSP+SSP3:地域分断、
    SSP4:格差
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第2象限:1.5℃×強制「環境効率至上シナリオ」
第2象限:1.5℃×強制「環境効率至上シナリオ」
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第1象限:1.5℃×自発「地域価値多様性シナリオ」
第1象限:1.5℃×自発「地域価値多様性シナリオ」
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第3象限:4℃×強制「災害対応奔走シナリオ」
第3象限:4℃×強制「災害対応奔走シナリオ」
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第4象限:4℃×自発「適応格差拡大シナリオ」
第4象限:4℃×自発「適応格差拡大シナリオ」
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「私たちの暮らし・自治体の未来」の4シナリオ

※ 縦軸:脱炭素社会の実現「1.5ºC」(2100年1.5ºC上昇)と失敗「4ºC」(2100年4ºC上昇)
 横軸: 生活者と行政の関係や行政システムの在り方として「強制」と「自発」

シナリオ分析による当社の事業リスク・機会を反映した2030年の事業例

1
1
2030年シナリオの概要
1
1
キーワード
1
1
機会
1
1
リスク
1
1
2030年の事業例
1
1
1.5℃
  • 国や自治体の政策および市民の関心は、wellbeingや環境に重点がおかれている。
  • 脱炭素政策は国・自治体において優先度が高く、2020年代の法規制や企業、自治体の努力も相まって脱炭素社会に移行しつつある。
  • 脱炭素先行地域では、再生可能エネルギー導入やエネルギーマネジメントが推進され民生部門のCO2排出量がゼロである。
  • マイナンバーカードは普及率100%となり、これを活用したインセンティブ制度や助成を行う行政サービスも増え、市民の行動変容を促している。
  • 再生可能エネルギーベースの分散型電源
  • EV化・インフラ構築
  • 環境活動に対するインセンティブ
  • 自然資本の見える化
  • well-being意識の向上
  • デジタルツインを活用した防災計画
  • マイナンバーカードを活用した災害後支援
  • 自治体業務の一部を請負、事業化
  • 再生可能エネルギーデータセンターの増加
  • 健康インセンティブが重要視され、ヘルスケア事業の拡大
  • 制度のシステム化(排出量算定、炭素税、排出権取引、カーボンフットプリント)
  • センシング、可視化、数値化市場の拡大(生態系、環境保全、損害&被害)
  • コンパクトシティ内における画像解析技術利用の増加
  • 行政DXとシステムの標準化・共通化が進むことによるこれまで築いてきたビジネスモデルの転換
  • 競合や新規参入者との競争激化

1.5℃・エネルギーマネジメント:住民の取り組み・行政施策効果の見える化による自治体の脱炭素支援サービス

4℃・防災:災害前(災害自分化シミュレーション)、災害中(止まらない通信、被災証明発行支援)、災害後:ボランティア支援促進システム

両方・ヘルスケア:来訪者向けのヘルスケアと環境価値に基づいた地域ブランディングを向上させるためのデータ利活用システム

2
4℃
  • 国内の多くの地域は人口急減と財政難に直面する。
  • 国や自治体は、すべての人々へのインフラやサービスを提供することが困難となる。
  • 広域連携、官民連携が進む。限られたリソース(行政職員・財源)から気候変動緩和に関する施策は優先度が下がる。
  • 災害の多発・大規模化を見据え危機管理能力の向上と行政機能の継続性が求められ、適応分野は重点的に取り組まれる。
  • 格差の拡大、コミュニティの階層化と分断が進み、あらゆる政策分野(経済・福祉・教育・都市計画・財政など)に影響を与え、社会課題となっている。
  • デジタルツインを活用した防災計画
  • マイナンバーカードを活用した災害後支援
  • 化石燃料ベースの集中型エネルギーシステム
  • エネルギー・食糧など物価の上昇
  • 自家用車中心
  • 自然資本の減少
  • 防災・減災対応・災害時・災害後ソリューションニーズの増加
  • パーソナルデータ・行政データを活用した行政ソリューションの創出
  • 気候変動に適した農産物への対応ニーズの増加
  • 再生可能エネルギー導入・地産地消エネルギー推進ソリューションの増加
  • 個別化医療・オンライン診療への市場算入
  • 産業間のサプライチェーンBCPの取りまとめ
  • セキュリティビジネスニーズの増加
  • 顧客の減少、システム統合による市場・パーク減少
  • 自由競争の激化
  • 個人情報・生体情報利用に対する抵抗感
Column6

リスク管理

気候シナリオの特定

当社では、気候変動に関する事業影響を把握し、気候関連リスク・機会に対する戦略のレジリエンスを評価することを目的として、シナリオ分析を実施しています。パリ協定、ステークホルダーからの要請をふまえて低炭素経済に移行する1.5℃シナリオと、現状予想される以上に気候変動対策が実施されない4.0℃シナリオを中心に分析を行っています。そのときに参照したシナリオは以下のとおりです。

参照した公開シナリオ

1.5℃シナリオ
1
1
4.0℃シナリオ
1
1
  • IPCC AR6 WG1 SSP1-1.9
  • IPCC 1.5ºC特別報告書
  • IPCC AR5 RCP2.6
  • IEA World Energy Outlook 2021
    Net Zero Emissions by 2050 Scenario(NZE)
  • 国立環境研究所 日本版
    SSP+SSP1:持続可能
    SSP5:化石燃料に依存した発展
1
1
  • IPCC AR6 WG1 SSP5-8.5
  • IPCC AR5 RCP8.5
  • IEA World Energy Outlook 2021
    Stated Policies Scenario( STEPS)
  • 国立環境研究所 日本版
    SSP+SSP3:地域分断、
    SSP4:格差
1
1

時間軸

パリ協定、およびステークホルダーからの要請に対応するため、長期にわたる気候変動の影響を評価する必要性があると考え、2050年までを対象に分析しました。また、SBT目標設定に合わせて2030年を中間地点として設定しました。

検討のステップ

2024年度は初めての取り組みとしてAIを活用し、以下のステップで全社リスクと事業リスクを再度確認しました。

100

上記のステップにより、全社リスクとしてはカーボンプライシング、事業リスクとしてはデータセンター事業とテレコムサービス事業を特定しました。

種類
1
2
Column2
1
1
概要
1
2
Column4
1
1
時間軸
1
1
全社リスク
2
Column2
カーボンプライシング導入によるコスト増加
2
Column4
短期・中期・長期
事業リスク
2
テレコムサービス事業
お客さまからの再生可能エネルギー100%での生産要請への対応
2
Column4
短期・中期
Column1
データセンターサービス事業
データセンターの稼働停止による売上損失
2
Column4
短期

まとめ

2024年度は、当社の全事業を対象に、シナリオ分析によるリスク評価を行いました。初となるAI活用と、環境部門によるスクリーニングを経て、企業の見通しに影響を与えると合理的に見込みうる気候関連の全社リスクと事業リスクを特定しました。環境部門が中心となり、これらリスクに対する評価を行った結果、適切な対策をとることでどのシナリオにおいても当社が事業継続および成長できることが確認できました。2025年度からはAIを最大限活用し、効率的、効果的なシナリオ分析にチャレンジしています。

指標および目標

気候変動対策目標

当社では、2040年度カーボンニュートラルの実現を目指し、2040年度目標、2034年度目標を設定し活動を推進しています。

達成年
1
1
イニシアティブ
1
1
指標
1
2
Column4
1
1
2040年度
2

The Climate Pledge/

SBT Net-Zero/ RE100

2
Scope 1、2、3 削減率
100%
Column1
Column2
再生可能エネルギー導入比率
100%
2034年度
2
SBT Net-Zero
2
Scope 1、2 削減率
63.6%(2024年度比)
Column1
Column2
Scope 3 削減率
63.6%(2024年度比)

Scope 1、2、3排出量

(千t)
排出量

Scope1
1
5
Column2
1
1
Column3
1
1
Column4
1
1
Column5
1
1
16
1
1
Scope 2(マーケットベース)
1
5
Column2
1
1
Column3
1
1
Column4
1
1
Column5
1
1
129
1
1
Scope 2(ロケーションベース)
1
5
Column2
1
1
Column3
1
1
Column4
1
1
Column5
1
1
193
1
1
Scope 3
1
5
Column2
1
1
Column3
1
1
Column4
1
1
Column5
1
1
4,659
1
1
カテゴリ1 購入した製品・サービス
2
Column2
3,434
カテゴリ9 輸送、配送(下流)
2
Column5
0
カテゴリ2 資本財
2
Column2
297
カテゴリ10 販売した製品の加工
2
Column5
0
カテゴリ3  Scope 1、2に含まれない燃料およびエネルギー関連活動
2
Column2
37
カテゴリ11 販売した製品の使用
2
Column5
812
カテゴリ4 輸送、配送(上流)
2
Column2
44
カテゴリ12 販売した製品の廃棄
2
Column5
0
カテゴリ5 事業から出る廃棄物
2
Column2
4
カテゴリ13 リース資産(下流)
2
Column5
カテゴリ6 出張
2
Column2
13
カテゴリ14 フランチャイズ
2
Column5
カテゴリ7 雇用者の通勤
2
Column2
3
カテゴリ15 その他
2
Column5
カテゴリ8 リース資産(上流)
2
Column2
15
2
Column5

温室効果ガス排出量実績(Scope 1、2、3) ※Scope2はマーケットベースの数字

温室効果ガス排出量実績(Scope 1、2、3) ※Scope 2はマーケットベースの数字

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算定方法

NECグループに関する温室効果ガス排出量の把握については、NECグループ財務連結範囲を対象にしています。
Scope 2のマーケットベースは、地球温暖化対策の推進に関する法律(温対法)に基づき算出し、ロケーションベースは、国際エネルギー機関(IEA)Emissions Factors 2025の国別排出係数を参照し算出しています。
Scope 3については、GHGプロトコルScope 3スタンダードに基づいて算定しています。
なお、Scope 1、2およびScope 3の算定結果は、それぞれ第三者保証を受けています。

SBT Net-Zero目標の進捗

NECグループは、2040年カーボンニュートラル達成を目標に掲げ、SBTiからNet-Zero目標として認定されています。
この目標を達成するために、2034年度までに2024年度比でScope 1、Scope 2および、Scope 3のそれぞれ63.6%以上削減を目指します。
この達成のために、Scope 2ではRE100の基準を満たす再生可能エネルギーの利用の拡大を進めています。また、Scope 3では、最も排出量の多いカテゴリ1の削減に向け、調達取引先へのエンゲージメントを進めています。さらに、カテゴリ11の削減に向けて、製品エネルギー効率向上を進めているほか、お客さまに100%再生可能エネルギーを活用したグリーンデータセンターの利用を提案しています。なお、Scope 3の排出量算定においては、上記施策の成果が反映されないため、Scope 3は事業拡大に伴い増加する結果となっています。この課題を解決するため、一次データに基づく算定への見直しを進めています。

1
1
2025年度排出実績
1
1
2020年比
1
1
Scope1,2
145千t
55.8%削減
Scope3
4,659千t
24.3%削減

第三者保証
対象企業一覧
CDPコーポレート質問書2024(NEC)※一部英語表記
CDPコーポレート質問書2025(NEC)

本社ビル・データセンター再生可能エネルギー100%

温室効果ガス削減活動を加速するため、2022年度より本社ビル(東京都港区)とクラウド基盤サービス「NEC Cloud IaaS」におけるデータセンターの運営に使用する電力すべてを実質再生可能エネルギー由来に置き換えています。

国内データセンターの実績と次年度目標

項目
2022年度
2023年度
2024年度
1
1
2025年度
1
1
2026年度目標
1
1
平均PUE(電力使用効率)
1.45
1.44
1.47
1.51
1.50
エネルギー総使用量(MWh)
147,910
145,727
134,505
122,147
120,244
再生可能エネルギー利用率(%)
18.3
41.9
45.7
50.1
65.0

※ 数値は当社のデータセンターのみ
※ NECクラウドIaaSは、再生可能エネルギー100%で運用しています。

物理リスクに脆弱な資産と事業活動

当社は神戸、神奈川を含め全国11ヵ所でデータセンターを運営しています。データセンターは政府機関や企業にクラウドサービスやハウジングサービスを提供しており、数多くの情報システムを運用する重要な施設です。データセンターの運用継続性は、中断することなくお客さまにサービスを提供するために非常に重要です。
一方で近年、日本における自然災害は頻発しています。2019年、記録的な大雨をもたらした台風が日本の広い範囲に上陸しました。この雨により、停電や水道本管の破損などライフラインに大きな被害が発生。河川が氾濫し、被害は広範囲にわたりました。気候変動による異常気象で災害が増加する可能性があり、データセンターの継続稼働にリスクが生じる可能性があります。
そうした点をふまえ、当社のデータセンターは、水による施設への被害を避けるため、洪水や津波の影響を受けにくい地域に建設しています。データセンターは非常用電源を設置し、停電時でも情報システムの稼働を継続できるよう、72時間以上の発電機燃料を確保しています。緊急時に優先的に燃料供給を受けられるよう、燃料供給会社と優先燃料供給契約を締結しています。
また、将来の気候変動に積極的に対応できるよう、全データセンターの自然災害耐性の再評価と負荷試験(実際の停電を想定した非常用発電機の起動試験)を毎年実施することを決め、活動しています。

インターナルカーボンプライシングの導入

当社では、エネルギー効率化と低炭素設備導入推進の視点から、インターナルカーボンプライシング(社内炭素価格)を設定して設備投資によるCO2排出削減量を金額換算し、投資判断の情報として活用しています。この仕組みは、将来の炭素税増額や排出権取引拡大の可能性を見据えた脱炭素社会によるリスクの低減と将来の脱炭素活動の推進にもつながっていると考えています。なお、当社のインターナルカーボンプライシングは3,000円/t-CO2と設定しています。

気候変動に関連する役員報酬への反映

当社では、2022年度に「気候変動(脱炭素)を核とした環境課題への対応」への取り組みが反映される重要な評価指標(KPIs)/サステナビリティ・パフォーマンス・ターゲット(SPTs)を設定し、発行年限を5年、7年、10年としたサステナビリティ・リンク・ボンドを発行しました。いずれのSPTも未達成の場合、本社債の償還までに、社債発行額の0.1%相当額の排出権(CO2削減価値をクレジット・証書化したもの)を購入することになり、収益に影響します。また、当社の評判に大きく影響するため、取締役を含む執行役員の評価に直結することになります。その影響の割合は5%未満です。
CBXO(チーフビジネスプロセストランスフォーメーションオフィサー)は、サプライチェーン全体に責任を負います。当社では、2040年までの長期的な視点に立った気候変動対策ガイドラインを策定し、2030年までの中期目標、さらに毎年見直しを行う短期・中期目標を統合した目標を設定しています。また、CBXOはNECグループ全体の中長期目標の達成に責任を負い、環境経営の実践のために機能改革に取り組んでいます。目標達成状況は年次業績評価で賞与査定の要素として組み込まれ、NECグループ全体のCO2排出目標達成に向けた顕著な進捗が反映されます。その影響の割合は10%です。

炭素クレジット

東京都総量削減義務と排出量取引制度において、府中事業場でバンキングしていた削減量を大東田町ビルへ振り替え、同ビルの義務履行に充当しました。なお、これは制度上の内部振替であり、外部クレジット調達によるオフセットではありません。
今後の炭素クレジットの活用については、2040年カーボンニュートラルの実現を見据え、残余排出量の中和の目的で使用する予定ですが、具体的な検討はこれから行う予定です。

省エネ相互診断

グループ会社と連携し、年に2回「省エネ相互診断」を実施しています。
この活動は、互いの事業所を相互に訪問し、エネルギーの使用状況や省エネ対策の実施状況について確認・評価するものです。
各事業所の省エネ活動においては、グループ共通で定めた「必須省エネ施策チェックリスト」を用いて、定期的に実施状況の確認を行っております。
診断は、このチェックリストをベースに重点項目を抽出し、現場の確認や関係者へのヒアリングを通じて行います。
本活動を通じて、省エネ対策の必須項目の順守状況を確認するとともに、改善余地がある箇所については、具体的な助言を得ることができます。
これらの取り組みを通じて、グループ全体のエネルギーパフォーマンスの向上および省エネ・節電活動のさらなる活性化を図っています。